内科 一般診療・心療内科 小児科

健康の定義とこれからの医療

“ 健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。”(日本WHO協会訳)
当院では健康について以下のように捉え、その人らしい機能を支える力になりたいと思います。
健康とは単に病気でない事ではなく、家族や周囲の人々と調和しながら、未来に対する自信や安心感を持って自分らしく生きていけること。
病気や症状のある状態をマイナス1とすると、ゼロの健康状態に近づけようとする行為を医療としてきました。
当院では、+1の視点から
本来の「健康」が理解できると考えています
各人がそれぞれ異なった目標 つまり+1の視点から、自分自身の健康をみなおすことで、健康のあり方がみえてきます。
病気の治療目的は、日常生活を生涯に渡って自分らしくすごすことができるような治療支援にあります。
高血圧症、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、喘息、肺気腫、狭心症、心不全、腎不全、骨粗鬆症、アトピー、鼻炎、甲状腺疾患、副腎疾患、脳卒中、認知症、パーキンソン、うつ病など

当院では、子供からお年寄りまでを対象とした診療を行っております。

暮らしの中で皆様が日常的に経験される疾患について、より良い機能が発揮できるよう支援します。

自己肯定型の自分らしい自我とまちづくり

自分らしさとは、引き継がれてきた遺伝的な素因のみで決定されるものではなく、生育環境、社会教育やメディアなどの複数の情報を受け取り、物事を認知し、行動し、体験することを通して、より良い目標に向かって、行動していく過程で、一人ひとりが自己の思考と行動を通して表現されるものです。

例えば、生活の中では、思い通りの結果に繋がらないこと、社会情勢や多数決の論理の中で無意識に選択せざるを得なかったこと、様々な情報を得て間違いないと認識して行動した結果が期待とは逆の結果を生じることもあります。

うまくいかないと、様々なマイナスの感情が生じ、何が良くなかったのか、どうすべきだったのか、自分の陥りやすい欠点は何か、この情報は受け取らないようにしよう などと無意識に脳内情報処理を修正や捉え直しながら、自分自身が納得できる自己を維持していこうとする過程を通して自分らしさが表現されます。

繰り返される症状を訴える来談者の方の中には、自分自身が納得できる整合性の持てる情報処理が困難な状況にある為、自己イメージに違和感を生じ、生体系を介した様々な心理的、身体的反応が生じます。

他者にとらわれ、自己イメージに違和感が生じると、一人ひとりが何と無く感じている部分を周囲に伝えることを躊躇し、心からしたいことができず、潜在的に持ち合わせている機能が発揮できず、自分らしさを失ってしまいます。

多様性を受け入れ、各人が納得できる捉え方・思考によって、自己肯定型の自分らしい自我がこれからのより良い健康的なまちづくりに貢献するものと思います。

不定愁訴群を含む繰り返される症状

様々な症状で医療機関に来院される方には、数ヶ月以上に渡って全身倦怠感、めまい、痛み、息切れ、食欲不振など身体的愁訴が持続し、診察や検査をしても原因が明らかにはならない不定愁訴群(MUS: Medically Unexplained Symptoms)に分類がなされる方や薬剤投与で一旦は治っても症状が繰り返される方があります。

E. Berneによって創設された交流分析理論は「人はみなOKである。」という基本的立場をとるパーソナリティー理論です。

その弟子のDusayは、P(親) A (大人)C(子供) の自我をさらに次の5つの自我状態

1) 批判的親の心(CP: Critical Parent)
2) 養育的親の心(NP: Nurturing Parent)
3) 大人(A :Adult)
4) 自然な子供の心(FC: Free Child)
5) 適応する子供の心(AC: Adapted Child)

に分類し、各エネルギーレベルをグラフ化することで、生じている問題そのものではなく、意識してこなかった心のあり方に視点を向け、なぜその様な状況に至ったのかについて、自我状態の解析を行い、今ここにある自分が、I’m OK, You are OKの状態に近づくことを手助けできるようにエゴグラムを創案しました。

P(親) A (大人)C(子供)の3者は、胎児期から現在に至るまでに、家族の中や地域社会の中での親、大人や子供との関係性の中で、様々な情報処理の要素を通じて、各人が、親、大人、子供というものを状況に応じた変化の中で獲得してきたものです。他者との関係性の中で、各々の自我が動的に変化しながら形成されてきたといえるでしょう。

交流分析理論は、ひとを理解する助けとして利用できるものです。

例えば、特に両親や権威ある人から主として幼児期に両親の何気ない言葉や反応をとおして無意識に子供であるな、健康であるな、感じるな、欲しがるな などの〜するなという禁止令としての情報を受け取っていなかったかを振り返り、これからは、より自由な自己選択の中で自分らしさを取り戻すことにつながる支援をします。

不定愁訴群を含む繰り返される症状に悩まれている方の中には、自然な子供の心 (FC) が低く、適応する子供の心(AC)が高い傾向があり、自己否定・他者肯定型 (FC<AC, CP<NP)を示し、自己を抑制しながら周囲に合わせ続けることで、自分らしさを失っていないだろうかと振り返ってみることも必要かもしれません。

相対的にACが高いのは、自分にとっての重要な人に承認されたい為に、自己を抑えて周囲に合わせようとし、両親、権威ある人や目上の人には従わなければならないという教育や社会的価値観を強く受け取り、習慣化されている場合もあるようです。

自然な子供の心(FC)が低いのは、周囲の環境の中で自己表現しづらい状況下にあるか、自己表現は恥ずかしいことであるとか、良くないことであるとの認識を無意識に受け取った可能性もあります。

当院に1ヶ月以上に渡り、不定愁訴群を含む症状で受診された方を対象としたエゴグラムの結果についてお示しします。
《 期間 》
平成23年12月1日〜28年12月1日 の5年間
《 内訳 》
人数:304人(男性99人、女性205人)
年齢:12歳〜104歳
《 症状 》
動悸・発汗・呼吸困難感など不安に関連した症状 101人
不眠・熟睡困難 50人
胸焼け・胃もたれ 40人
めまい 22人
掻痒 19人
咳 19人
腹痛・下痢 13人 など。
《 結果 》
自然な子供の心(FC)が低値で、適応する子供の心 (AC)が高い傾向を示しました。

重要なことですが、エゴグラムなどの心理テストは、時間経過の中で関係性や捉え方は変化するもので、絶対的なものではありません。より良い未来のために自分自身を振り変える道具として利用してください。

自然な子供の心(FC)が低いことが良くないということではありませんが、自然な子供の心(FC)が低いと、病気になりやすいという報告もあり、家庭や職場や地域の中で、各人が心からしたいことができる地域環境づくり、様々な自己表現を受け入れられる地域づくりが健康づくりとも関連して重要だと感じます。

現在の状況や環境とともに生育環境を通じての思考習慣について振り返り、より良い生活に向かっての自律した行動選択が取れるような支援を通して、よりよい変化がもたらされることを願っています。

日常生活での自己イメージと症状・疾患との関連性

病気は、生まれながらの遺伝因子と環境因子との相互作用で生じるとされていますが、環境ををどう捉えているかは、各人の生育・生活習慣や教育によっても随分違っています。

遺伝因子についても、教育や社会の中で経験して作り上げた自己イメージや生活習慣によって、複数の遺伝子情報が後天的にスイッチをon offしながら調節されている部分があることもわかってきました。

少子高齢化が進む中、情報化社会が進む中で、我々が感じる時間感覚は無意識に早められています。早くに何かをしなければならないと無理をさせられることも少なくありません。令和の時代を生き抜くには、時間に流されたとしても、一人ひとりが自分らしく、より良い自己イメージを維持できるような認識と環境整備が、健康につながるものと考えています。

診療の流れ

まずはお電話ください。 
電話 0854-88-2124です。
受診日を忘れてしまった場合、定期薬剤がなくなった場合や緊急時には診療時間内にお越しくだされば対応致します。

どのような症状や相談で来られましたか?

受付で問診票をお渡しします。(受付:谷本 中島)

症状が繰り返されたり改善しない場合、診療前に看護師が心理検査(SDS, STAI, TEG)、 物忘れが気になる場合には、認知症検査を施行します。(看護師:山根 松村 川北)
外来には自動身長体重計、自動血圧計があります。目安として測定ください。
診察室にお入りください。
問診・身体検査の後に検査を施行します。(院内検査項目:尿 CRP 血糖 HbA1c インフルエンザキット)
次回の予約をお取りしています。
薬のある方は、院外薬局に処方箋を持っていき薬を受け取りください。
お薬は症状やリスクを低減するための選択肢の一つです。不安感を感じつつ服用する薬は効果も半減します。何の薬かわからない たくさん余っている 飲みにくい 種類や数が多い 効果を実感しない 副作用では? など 薬についての相談はどんなことでもお伝えください。他の選択肢を提示し、不安を解消します。
肩こり、腰痛や坐骨神経痛などでSSP(針を使わない低周波ツボ刺激療法)や頭痛や自律神経症状の緩和に高電位治療機器をご利用ください。